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トレド大聖堂の入場料は?祭壇や絵画など見どころを紹介!

2017年5月19日

トレド大聖堂

この記事では、トレド大聖堂を見学したい人が知りたい下記の情報を紹介します。

  • 大聖堂の簡単な歴史と特徴
  • 大聖堂の入場料情報
  • 大聖堂内部の見どころ

 

トレドの大聖堂はスペイン語でCatedral de Toledo、またSanta Iglesia Catedral Primada de Toledoと呼ばれます。

 

カテドラル(Catedral)は大聖堂という意味のスペイン語。

 

しかし、トレドの大聖堂はカテドラル・プリマダ(Catedral Primada)という単語が使われています。

 

Primadoは首座大司教といい、カトリックの総大司教に次ぐ名誉称号です。

 

さすが、首座大司教座聖堂という感じで大聖堂の中に入ると、祭壇をはじめ聖歌隊席や聖具室まで素晴らしい作品を見ることができます。

 

入場料は決して安くはありませんが、それでも中に入って見学する価値はあります!

トレド大聖堂の歴史や特徴は?

トレドが西ゴート王国の首都だった時代、大聖堂の場所には西ゴートの教会がありました。

 

イスラム教徒の侵入にで教会は破壊され、メスキータが建築されます。

 

1085年にアルフォンソ6世がイスラム勢力からトレドを奪還します。

 

イスラム教徒への理解を示し、メスキータを維持すると約束しますが、彼の妻のコンスタンサとトレドの新しい司教になったBernard de Sedirac(2人ともフランス人)は、アルフォンソ6世がトレドに不在だった2年間に力づくでメスキータを聖別化します。

 

これを知ったアルフォンソ6世は激怒しましたが、時すでに遅し。

 

1087年からトレドのメスキータは、新しく聖マリア大聖堂となりました。

 

フェルナンド3世の時代、1226年にゴシック様式の大聖堂の工事が始まりました

 

スペインでゴシック建築の3大カテドラルは、トレド・レオン、そしてブルゴスにあります。

フランス発のゴシック様式が、スペインに伝播して作られた例がトレドの大聖堂。パリのノートルダムと同様、尖頭アーチ、大きな窓、フライングバットレスといったゴシック様式の外観上のすべての要素を見ることができます。(13世紀)

引用: ホテリスタ ゴシック様式

 

レオンとブルゴスの大聖堂も素晴らしいのですが、トレド大聖堂の芸術・美術的豊かさに本当に圧倒されました。

 

トレド大聖堂の入場料は?

入場料は10€、見学可能なスペースは下記の通りです。

  • 大聖堂
  • 聖歌
  • 参事会会議室
  • 聖具保管室
  • 両王の礼拝堂
  • 回廊とBayeuの絵画
  • 聖ブラスの礼拝堂
  • Colegio Infantes美術館

 

トレドを訪れる2週間前にブルゴスの大聖堂を見学しました。

 

ブルゴスは入場料が7€なので、正直「トレドは入場料が高い!」と思いましたが、

 

10€を払って見学する価値は十分にある内容だと思いました。

 

私は入場料込の現地ガイドツアー参加しましたが、オーディオ・ガイドを聞きながら見学もできます。

 

 

大聖堂内部の見どころは?

主祭壇

主祭壇のRetablo(レタブロ、祭壇画)はもちろん、完成に10年かかった主祭壇を覆う鉄格子も素晴らしいです。

 

大聖堂を案内してくれた地元のガイドさん曰く、「主祭壇よりもここがスゴイんだ。」というのは主祭壇の裏側にある「トランスパレンテ(Transparente)」と呼ばれるもの。

 

18世紀(1729~1732年)に作られ、当時はスペインバロックの最高作品と言われたものだそうです。

 

聖歌隊席(Coro)

トレド大聖堂の聖歌隊席

 

主祭壇の向かい側にあるのが聖歌隊席です。

 

毎年5月、Batalla de órgano(オルガンの戦いという意味)という演奏会が行われます。

 

参事会会議室(Sala Capitular)

トレド大聖堂の参事会会議室

 

トレド大聖堂の位の高い聖職者同士で話し合いをして異なるテーマの決定を行っていた参事会室という場所は、

入る前のスペースから豪華で、部屋全体にフレシコ画や歴代の大司教の絵を見ることができます。

 

聖具保管室(Sacristia)

トレド大聖堂の内部は本当にどこも素晴らしいのですが、中でも贅沢すぎると思ったのはこの聖具室です。

 

聖職者がミサの前に服を着替えたりする場所ですが、エル・グレコの作品を多く見ることができます。

 

 

中でも有名な作品は、キリストの聖衣剥奪(El Expolio)

 

キリストが十字架に架けられる前に衣服を剥がれる姿を描いているのですが、グレコはこの作品で重要な間違いをおかしています。

  • 絵の左下に福音書に書かれていない3人のマリアを描いている。
  • キリストの頭より群衆の方が高い位置においた構図になっている。

 

絵の依頼主であるトレドの大聖堂は、修正を要求しますがプライドの高いエル・グレコはそれを拒否します。

 

これに対し大聖堂側は報酬を払わなくなりました。これがきっかけでエル・グレコは大聖堂相手に訴訟を起こします。

 

結局、グレコは絵の修正は行わず、作品の依頼を受けた時に提示された金額よりも少ない報酬額を手にします。

 

しかしながら、この訴訟騒動によりエル・グレコの名前が知れ渡るようになったそうです。

 

エル・グレコというと絵画の印象が強いですが、数少ない貴重な彫刻作品もありますので是非見て下さい。

 

聖具保管室にあるトレド大聖堂所有の絵画コレクションは美術館並みのレベルでとにかく見る価値があります。

 

大変貴重な絵画を展示しているスペースですが、これといった警備体制が見られないことにも驚きました。

 

見学する人々を信用しているからなのでしょうが、大丈夫?とこちらが心配してしまう絵と人の距離が近いです。

 

まとめ

  • トレドの大聖堂はイスラム教徒により建てられたメスキータを後にキリスト教の教会として聖別化した。
  • トレド大聖堂は、ゴシック建築の三大カテドラルのひとつ。
  • 大聖堂の入場料は10€だが、入ってみる価値は十分にあり。
  • 大聖堂内部には主祭壇をはじめとする見所が沢山あるが、聖具保管室のグレコの作品は注目。

 

トレドの大聖堂は、マドリードの有名美術館並みの入場料がかかりますが、見学する価値は十分あります。

エル・グレコの絵のスタイルは正直あまり好きではなかったのですが、彼と作品にまつわるエピソードを聞いて少し印象が変わりました。

 

今回ご紹介したのはほんの一部で、時間をかけてゆっくり見たい大聖堂です。

 

マドリードからのトレドへのアクセス方法をはじめ、トレドの気候やおすすめの宿泊施設にレストランなど観光情報のまとめ記事はこちらになりますので、是非合わせてお読みください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

旅の計画にご活用下さい。

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いつこ

日本人で唯一のガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で観光マネージメント修士課程修了。同大学で留学生サポート業務を約4年経験。2019年にサンティアゴ巡礼専門の旅行会社に就職。まだ認知度が低いサンティアゴやガリシアの魅力を伝えるのが私のミッション。

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