サンティアゴ大聖堂が保管するスペインの歴史的重要資料や書物とは?

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6月9日の国際アーカイブズの日を記念して、サンティアゴ大聖堂の資料館が市民に無料開放されました。

 

『アーカイブズ』とは、個人や組織(官庁や企業など)が残した歴史的な記録・文書やその保存施設(文書館など)のこと。
1948年UNESCO支援のもと国際公文書館会議(International Council on Archives, ICA)が発足し、2008年にICAの60周年を記念して発足日の6月9日が国際アーカイブズの日となりました。

 

資料館の職員が案内役となり、大聖堂が保管するスペイン巡礼に関する非常に貴重な歴史的資料や書物を見ることができました。

 

歴史的文書に対して特別関心のなかった私ですが、考えを改めようと思うぐらいとても興味深い体験となりました。

 

資料館で撮影した画像を入れながら見学ツアーで学んだ情報を共有したいと思います!

サンティアゴ大聖堂の資料館は大聖堂の内部にあります。

 

銀細工の広場に面した門から大聖堂に入って左手にあるSacristía(聖具室)から入っていきます。

 

聖具室とは、ミサに出席する聖職者がこの部屋で祭服に着替えて準備し待機する場所です。

 

巡礼者のミサでは外国から来た聖職者も参加できますが、彼らのためと思われる身長別の祭服用ハンガー掛けがありました。

 

 

 

聖具室から大聖堂の回廊に一旦出て、大聖堂の資料館へ行きます。

 

サンティアゴ大聖堂の資料館には下記3つのスペースがあります。

  • 研究者や一般の利用者が本を閲覧できるパブリック・スペース
  • 資料館の職員が働くオフィス・スペース
  • 資料や本を保管する蔵書スペース

 

 

 

ここは、研究者や一般の利用者が資料館にある書物を閲覧できるスペースです。

 

写真の奥にあるパソコンからデジタル化した所蔵資料を見ることもできます。

 

資料館には歴史図書と現代図書の2つのセクションがあり、現代図書に分類されるのは1900年以降の書籍や資料でサンティアゴ巡礼(カミーノ・デ・サンティアゴ)をテーマにしたものです。

 

 

サンティアゴ巡礼路に関する書物を保管している図書館(Biblioteca jacobea)です。

 

2000年に大聖堂の参事会で巡礼路に関する資料センター創設計画が承認されて上記の図書館が存在していますが、プライベートスペースになっています。

 

ここに入れるのは、資料館の見学ツアーに参加した場合のみです。

 

(歴史資料をデジタル化するときに使う道具)

 

大聖堂の資料館は歴史的な建物の限られたスペースを利用しているため、案内される場所がどこも全体的に狭かったです。
各スペースの間を移動するにも迷路を歩いているような感覚でした。

 

次に訪れたのが、書物ではなく一枚の羊皮紙に書かれた歴史的古文書を保存してる場所を訪れました。

 

ここに保管されている資料は撮影不可のため画像をお見せできませんが、個人的にとても印象に残ったものがあります。

 

それは1884年に当時のローマ教皇レオン13世が出した教皇勅書です。

 

サンティアゴ巡礼の歴史について勉強された方であればご存知かと思いますが、サンティアゴ大聖堂に祀られている聖ヤコブの遺骨の場所がわからない時期がありました。

 

16世紀にイギリスの海賊フランシス・ドレークがコルーニャを襲撃すると、当時サンティアゴ大聖堂の司教だったクレメンテはドレークの攻撃から聖ヤコブの遺骨を守るために他の場所に移動します。

 

ところが、その後になって隠した場所がどこだかわからなくなります。

 

大聖堂のどこかに隠された聖ヤコブの遺骨が再発見されるのは、1879年です。

 

聖ヤコブの遺骨再発見のニュースを受けたローマ・カトリック教会の教皇レオン13世は、1884年にサンティアゴ大聖堂へあてて教皇勅書を送ります。
その勅書のメッセージは・・・

発見された遺骨は確かに聖ヤコブのものです。

画像はレオン13世 出典: https://www.biografiasyvidas.com

 

 

どうやって確かめたの?という質問はしないでください。(;^_^A

 

どちらにしても、大聖堂の資料館でその教皇勅書のオリジナルを見ることができました!

 

勅書は冊子になっていて、デザインとしてはかなりシンプルなものでした。

 

昔の文書や手紙で見る赤インクの印章ではなく、ひもでつるした鉛の印章を初めてみました。

 

全く別の文書になりますが、紐でつるされた印章のイメージ画像を下につけます。

 

出典: https://upload.wikimedia.org

 

教皇13世が勅書をサンティアゴ大聖堂へ送ったと歴史の授業や本で読んだことはありましたが、まさかオリジナルを見るとは思っていなかったので、ちょっと感動しました。

 

大聖堂の資料館が保管する貴重な3つの書物とは?

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Códice Calixtino(カリクトゥス写本)

出典: http://www.abc.es

 

サンティアゴ巡礼に関する歴史的重要書物といえば、12世紀に書かれたCódice Calixtino(カリクストゥス写本)が有名です。

 

2011年に大聖堂に保管されていたオリジナルが盗まれ、スペイン全国でニュースとなりました。 盗難事件から1年後、警察が大聖堂の電気技師をしていた男性の自宅倉庫からカリクストゥス写本を発見しました。

 

かなりザックリな説明になりますが、カリクストゥス写本の中身は5つの書で構成されています。

  • 第1書→ 礼拝の書
  • 第2書→ 聖ヤコブの起こした奇跡
  • 第3書→ 殉教した聖ヤコブの遺骨の移送
  • 第4書→ 聖ヤコブの墓の発見
  • 第5書→ フランス人の道のルートや区間を説明したサンティアゴ巡礼ガイド

 

しかし、サンティアゴ大聖堂で保存されている中世時代の重要な書物はこれだけではありません。

 

Tumbo A (トゥンボ・ア)

出典: http://3.bp.blogspot.com

Tumboという言葉は、ポルトガル語のTombo(本の巻、冊)に由来するそうです。

 

この書物の内容のポイントはというと・・・

 

  • 歴代の王からサンティアゴ大聖堂へ寄付・または譲渡品を記録したオリジナル文書を転写したもの。
  • 12世紀のものだが、9世紀に書かれたオリジナル文書のコピーも含まれており、聖ヤコブのお墓発見から中世時代までサンティアゴ大聖堂がいかに政治・経済・組織的に大きくなったかを証明する重要な証拠文書。
  • ディエゴ・ヘルミレス大司教の命により、大聖堂の会計係であったベルナルドが作成。
  • アルフォンソ2世から10世までの細密画(ミニアチュール)が楽しめる。

 

サンティアゴ大聖堂の寄付者情報をまとめた文書Tumboは、A~Hまでシリーズになっており寄付者の社会階級別になっています。

 

Breviario de Miranda(ミランダの聖務日課書)

出典: http://4.bp.blogspot.com

 

15世紀に作成された典礼に関する書物です。上の画像にあるように、書物の大部分のページが細密画が書かれているそうです。

 

ここで、資料館の館長が時間だからそろそろ終わりにしなさいとの命令が・・。

 

最後に訪れたのは、3つの重要書物を保管する部屋の地下にある16~18世紀までの宗教音楽の楽譜保管場所でした。

 

 

保管されている楽譜の大部分は17・18世紀のものだそうですが、とにかく重くて開くスペースもないので開いて見ることはできませんでしたが、ボロボロになっているところに歴史を感じました。

 

 

資料館の見学や本の閲覧方法は?

国際アーカイブズの日を記念しての今回の見学ツアーは無料でしたが、普段は有料で同様の見学ツアーを行っています。

  • 毎週火曜日と木曜日の11:00
  • グループの定員は、6~20名まで
  • 所要時間 1時間
  • 料金 15€
  • 要事前予約(TEL 981575609、メール: archivo@catedraldesantiago.es)

 

資料館へは身分証明書を提示してアクセスし、本を閲覧することができます。

資料館の開館時間は、月曜日~金曜日 9:00-13:30、月曜~水曜は午後16:30-19:00
8月は閉館します。

まとめ

最後に今回の記事のポイントをまとめます。

  • 6月9日は国際アーカイブスの日。
  • 大聖堂の資料館では、9世紀から現代に渡る貴重な資料や書物が保管されている。
  • 研究者だけではなく一般の方も資料館の本を閲覧可能だが、大部分はプライベートスペースとなっている。
  • Códice Calixtino・Tumbo A・Breviario de Mirandaをはじめ、サンティアゴ巡礼や大聖堂に関する歴史的に重要な文書や楽譜、地図なども保管されている。
  • 普段は有料で同様の見学ツアーを実施している。

 

サンティアゴ大聖堂=ボタフメイロのイメージが強い方が多いかもしれませんが、見所はまだたくさんありますので少しずつこのブログで紹介していきたいと思います。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂で人気のボタフメイロとは?儀式を見る絶好の場所は?イタリアでも同じ儀式が見れるって本当?

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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