サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光でおすすめのツアーとは?大学の歴史遺産に触れてみよう!

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サンティアゴ・デ・コンポステーラには、500年以上の歴史を誇るスペインで最も歴史の古い大学のひとつ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学Universidad de Santiago de Compostela、以下USCと表示)があります。

 

市の人口(2015年の住民登録数)は約9万5千人ですが、大学で勉強する学生(スペイン人+外国人留学生)の数が約3万人です。大学で働く先生や職員の数を足せば、人口の3分の1の数が大学関係者となります。

 

サンティアゴを訪れる方に、大聖堂の屋根のツアーをすでにご紹介しましたが、大学の歴史を学びながら貴重な美術文化遺産に触れることができるツアーの存在を知っている人はいますか?

【2017年1月情報】サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂屋根のツアーの内容は?
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の屋根の上を歩く体験ツアーがあります。 現在進行中の修復工事によりルートの一部が変更されています。 2017年1月の情報になりますが、大聖堂の屋根のツアーの...

 

これまで学生グループや日本からのお客様と一緒に何度もこのツアーに参加しましたが、毎回新しい発見や学びがあって退屈しません。個人的に本当におすすめのツアーです。

 

今回は、USCの文化遺産ツアーについてご紹介します。

USCの歴史遺産ツアー(Visitas guiadas de Patrimonios historicos de la USC)は、上の画像にあるColexio de Fonseca(直訳でフォンセカ学校)から始まります。

サンティアゴの大聖堂があるオブラドイロ広場から歩いて1~2分です。

入り口の外から中を見てみると、上の写真のような中庭と像があります。ここがツアーのスタート地点であり、大学の起源となる場所です。当時、寄宿学校として機能していたこの建物の2階で学生は下宿生活を送り、1階部分で授業を受けていました。

大学の起源は?USCの設立者たちは誰?

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1495年、ロペ・ゴメス・デ・マルソア(Lope Gómez de Marzoa)という人物が貧しい者たちを対象に開いた文法学校がUSCの始まりです。

 

1504年、マルソアのイニシアティブに加わったディエゴ・デ・ムロス(Diego de Muros)は、高等教育として法律や文法などを教える許可を当時のローマ教皇からもらいます。

 

しかし、大学としての発展のキーパーソンとなったのは、先ほどの中庭の真ん中で座っているアルフォンソ・テルセロ・デ・フォンセカ(Alfonso III de Fonseca)です。

大学の校章の下の部分になりますが、左から順番に文法の学校を開いたマルソア、真ん中下の小さいのがディエゴ・ムーロス、そして右側の5つの星のマークはフォンセカの家紋です。

 

サンティアゴの旧市街を歩いていると建物に5つの星のマークの家紋があったらそれは大学所有の建物である(だった)という意味です。

 

校章の上部にあるお城とライオンはスペインを、真ん中の丸の中にある背景が水色でカリス(聖杯)と聖体のパンのマークはガリシア州政府を表しています。

大学の「アメリカ図書館」とは?

大学の起源について学んだ後、訪れたのが大学の大変貴重な歴史・文化遺産を保管している「アメリカ図書館」(Biblioteca América)に入ります。

 

 

私の写真で雰囲気が十分伝わっているか微妙ですが、ここに入ると大抵の人が「わぁ~スゴイ!」と言いながら入っていきます。本日は、大学専属のカメラマンさんが撮影をしていました。

 

下の写真の真ん中にいるのが、大学の歴史遺産ツアーのガイドであるRosi(ロシ)さん。私の記憶が間違っていなければツアーが出きた頃からずっと担当されています。知識が豊富なのはもちろん、とても上手なガイドをされます。

 

 

この図書館の名前が「アメリカ図書館」である理由について少し説明します。上の写真に描かれている男性は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ出身のグメルシンド・ブスト(Gumersindo Busto)氏です。

 

19世紀末にウルグアイへ移民、その後アルゼンチンの大学で法律を勉強しました。

 

移民した土地で財をきづいたグメルシンドは、自分の故郷のガリシアにラテンアメリカの文化を紹介したい、サンティアゴにラテンアメリカについて学ぶ大学を建設したいと考えます。

 

しかし、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学からの返答は

 大学はダメだけど、図書館ならいいよ。

 

1904年、グメルシンドは現地の新聞紙に広告をだして、スペインのサンティアゴに創設する図書館に寄贈するアメリカの文化や経済、社会などアメリカに関する書籍を募集しました。

 

ラテンアメリカに移民していたガリシア人の協会はもちろん、政治家から一個人までたくさんの方が寄贈品を送ったということです。

 

実際にはもっと多くの書籍が集まったのですが、アメリカ図書館に置かれている書籍の数は、6000。本だけではなく各国から寄贈された旗やメダルなど貴重なものが保管されています。

 

アメリカとは関係ないのですが、この図書館でサンティアゴ市で最も古い大変貴重な本を見ることができます。

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラにある最も古い本なら・・・スペイン巡礼の最初のガイドブックと言われるカリクストゥス写本を想像する人がいるかもしれませんが、そうではありません。

 

 

11世紀に書かれたもので、フェルナンド1世の王妃が王にプレゼントした本でLibro de Horas de Fernando I de Leónというものです。朝や夜に教会のプライベートスペースで王がお祈りするときのために使う本です。

 

 

本当に貴重なものなので、オリジナルは大学の別場所でしっかりと保存されており、このツアーで実際に見ることができるのは複製(ファクシミリ)です。サイズや色はもちろん、虫に食われた場所などオリジナルの状態と全く同じです。

 

この複製が作られたのは、大学の500周年にあたる1995年でした。コピーだったら価値は全然ないんじゃないのと思うかもしれませんが、1996年にこの複製の本は500,000ペセタ(約3,000€)の価値があると判断されたそうです。

 

この本に加えて、今回のビジットで初めて見ることができた本がありました。アメリカ図書館の創設者グメルシンド・ブスト氏が自らこの図書館に寄贈したイギリス海軍の士官だったジョン・バイロンの本です。

 

 

赤いハンコの部分に、ブエノス・アイレスのグメルシンド・ブストからと書いてあります。

 

学長室がある建物とスペイン巡礼の関係は?

 

サンティアゴ大聖堂の正門が見えるオブラドイロ広場に面している建物のひとつが大学の学長室棟です。

 

上の写真はその入り口です。入り口の上部にあるアーチ状の彫刻部分は、もともと大聖堂の北の門の前にあった巡礼者のための病院のもので、あとからこの建物の正面部分にくっつけました。

 

ある建物にあった装飾部分を他の場所に移す、いわゆるリサイクルするといったことは特に珍しいことではありません。大聖堂の各地にもそういった部分が沢山あります。

 

 

増加する巡礼者を収容しきれなくなり、新たに建てられたのがこの上の写真に移っている建物です。カトリック両王の命で建てられた病院は、現在では5つ星のパラドール(ホテル)になっています。

 

新旧の巡礼者の病院がこんな形で向いあっていると考えると非常に興味深いですね。

 

大学の式典等で使う重要なサロンとは?

大学の学長室棟を後にし、次に向かったのが旧市街内にある歴史・地理学部です。18世紀の建物で、ここが大学ツアーの最終ポイントになります。

 

 

学部の2階にパラニンフォ(Paraninfo)と呼ばれる大学のコース開会式や博士論文のプレゼンテーションなど大事な行事の時に使われるスペースがあります。

 

ツアーに参加すると前の席に座って自由に記念撮影できます。

 

現在も使用中の歴史的図書館の様子は?

 

さらに上に登ると、図書館があります。現在も学生が本を借りたり、勉強に使っているスペースです。木製の床なのでヒールのある靴で誰かが歩いたりすると音がして気になりますが、勉強しながらちょっと贅沢な気持ちになる空間です。

 

ツアーを締めくくるのは?

 

歴史・地理学部の屋上からサンティアゴ・デ・コンポステーラ市内を一望(360度パノラマ)できます。屋上に登ったら、ちょうど大聖堂の屋根のツアーに参加しているグループが見えました。

 

大聖堂の屋根からは主に旧市街の風景が楽しめますが、歴史・地理学部の屋上からは市内全体を見る事ができます。大聖堂の屋根よりも高い位置になります。

 

この景色を楽しんでツアーが終了となります。

 

ツアーの時間、料金、そして予約方法は?

ツアーは、平日の月曜日~金曜日まで12:00と16:30に1日2回。

 

所要時間は、約1時間30分です。料金は、大人1名7€ですが、大学生や高齢者の方は割引価格で5€、12歳以下の子供は無料です。

 

上記の情報は個人の旅行者がこのツアーに参加する場合の条件であり、12名以上のグループは、他のツアー時間や価格が設定されます。

 

ツアーの言語は、スペイン語・英語・イタリア語です。個人でスペイン語のツアーに参加する場合、当日にツアーのスタート地点であるColexio de Fonsecaに行って参加することも可能ですが、スペイン語以外での言語でツアー希望する場合、少なくとも2・3日前にvisitas.patrimonio@usc.esまでメールをして問合せ・予約をしてください。

 

さいごに

英語でもツアーについていく自信がないという方もいると思いますが、アメリカ図書館や歴史・地理学部での見学はこのツアーでないと訪れることができない場所であり、ツアーに参加する価値は十分ある内容です。

 

ツアーの回る順番や場所については、大学の行事によって一部変更されることがありますのでご了承下さい。

 

ツアー中の写真撮影はOKですが、ビデオをとることはできません。

 

大体の流れとポイントは紹介していますが、ここでは紹介しきれなかった興味深い情報を沢山知ることができる内容ですので、是非興味のある方は参加してみてくださいね!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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